Another/綾辻 行人
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ネタバレの関係があって、
詳しくは書けないが、まあ真犯人は、
・ 時代をまたいでる人物
・ 主人公と接触して話を聞いていたから、
知り得た人物
・ 犯行時間が取れる人物
・ 何か隠してる人物
という観点から当てる事ができた。
( その他の諸々の消去法も並行して考えていた。)
◆ 難点
「偶然の多用はフェアじゃ無い。」という論もあり、
確かに自分もそう思う。
ひと頃、散々に批判された「エログロナンセンス」の内、
グロテスクとナンセンスな点が多く、
「これがあの、 " 十角館の殺人 " を書いたのと同一の作者か ?」
と、やや残念ではある。
◆ 良かった点
スティーブン・キングをモチーフにしたと思われ、
ジワジワ盛り上がっていく感じは良かった。
最後の真犯人登場は、意外性という点で成功してたと思う。
( 自分は、ある程度の目星が付いて驚きは少なかったが。 )
まあ別に、難易度を下げて、
あえて「当ててもらう」率を上げるのも悪くは無い。
ようは読者が楽しめればそれで良いのだ。
◆ ホラーとサスペンスの融合
↑
帯にあったこの言葉だが、もともと推理小説の発生点は、
奇怪な怪奇現象に対して、科学的な目で解説する小説が起こりなので、
「原点回帰」としか言いようが無い。
ただ、この点を深く掘り下げる作家がなぜだか少ないのも事実である。
別の作者の、よく似た作品である、
「* みねこの * く頃に」に関して、
一応、これは推理モノの体裁ではあるのだが、
「魔法一発で、全ての謎解きパートを破壊」
= 「 謎の解説は無し 」という、
推理ファンを愕然とさせる悪例があり、
今後、綾辻氏が同様に、手抜き気味の楽な方に筆が傾くのは、
ご勘弁願いたいところだ。
満足度 70/100 点
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another / 綾辻 行人・著
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